懐かしい

先日、いろいろあって遅くなってしまい終電がなくなってしまった。
途中駅まで行く電車が残っていたのでそれに乗り、あとは仕方なく歩こうと。。
自宅最寄駅を「A駅」とすると、「B駅」「C駅」を挟んで「D駅」止まりの電車。
今のマンションに越す前は「C駅」に住んでいて、「B駅」「D駅」までは
かみさんと買い物がてらによく散歩したこともあるのでね、そんなに抵抗はなかった。
終点D駅で降り、タクシー乗り場に並ぶ人たちを横目にぽてぽてと歩く。
最初は下り坂。幸いにも暑くなく人通りもなく、いい感じに気持ちいい。
 -あー、ここに「焦がし葱ラーメン屋」があったな。おいしかったな。
 -お、まだ駄菓子屋さん残ってるんだ。大人買いしたよなぁ。
 -ここの中華料理屋、なんかアヤシイから入らなかったけどおいしいんだろうか?
“想い出”ってほど大げさなもんじゃないが、昔の記憶を探し出しながら歩く。
同時に、まだかみさんが長男を妊娠中で腹がパンパンだった記憶、
生まれた珠希をベビーカーに乗せ、笑いながら買い物に行った記憶、
いろんな情景がつい先日のことのように鮮明に浮かんでくる。
そして、以前住んでいたマンション前の道へ。
「マンション」とは言っても3階建てで各階1部屋、トラック通るとすげえ揺れるし、
夏は最高に暑いし、ベランダはあっても狭くてなにもできないし、、、
あー、しかも風通し悪く湿気が留まりやすくて、すぐにカビ生えたよなぁ。。
でもC駅からは徒歩5分だし、大通りから入った道で静かだし、
スーパーも商店街もあるし公園もあって、環境的にはなかなかいい所だった。
そんなところなんだけど、すごく懐かしく思えてふと足を留め見上げる。
電気は消えているけど、洗濯物が干してあって誰か住んでいるみたいね。
あんまりジロジロ見て泥棒の下見と間違えられて捕まるのは嫌だから、
すぐにまた歩き始め何が干してあったのかわからなかったけど、
私たちと同じような結婚したばかりの夫婦でも住んでいるんだろうか?
トイレが窓を開けてもクソ暑くて、トイレ行く度に汗だくになってたけど、
やっぱり今でもそうなんだろうか?
余計なお世話だけど、なんか勝手に微笑ましい気持ちなってニヤニヤしてしまう。

ふと思った。
かみさんと2人で身軽なときは、よく歩いてあちこちに行ったんだけどさ、
子供が2人できた今、移動はもっぱらバスや電車もしくは自転車で、
“歩いて街並みを楽しむ”ことがなくなってしまった。
目的地での遊んだ記憶はあっても、その移動手段、そこまでの道のりの想い出は
スッポリと抜けてしまっている感じ。
自分の駅から隣の駅の範囲くらい、ちょっと時間のあるときには散歩してみて
「こんなとこにこんな店がある」「ここの喫茶店きれい」だとかさ、
家族みんなの共通の想い出を作るのって、実は楽しいことなんじゃないかな?
しかも、以前ならかみさんと2人だけでの想い出だけど、
今なら子供2人合わせて4人の想い出になるしね。楽しみが倍になる。
かみさんに「昔みたいに、またのんびり散歩したいね」とメールしたら、
何を察したのか「したいしたい!今までのお散歩の想い出は宝物だね」だと。
できた妻をもらったもんだ。

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