責任能力

あまり軽々しく書けるもんじゃないのだけど、
どうしても以前から納得、理解ができないことがある。

できない理由は、おいらの基本的な知識不足にあるんだろうけど。
今年の1月頃だったか、歩道橋から3歳児を投げ落とした事件があった。

「仕事が面白くなかった。むしゃくしゃしたから子供を歩道橋から投げた。」
と言うのがその理由。こうすれば仕事をしなくて済むとか言っていたかな?

加害者は知的障害者で、これまでにも誘拐や誘拐未遂事件を6件起こしていたという。
他にも下関駅が全焼した事件、レッサーパンダの帽子の男による女性刺殺事件。。。

知的障害者による事件を数えると、思い出せるだけでもいくつか浮かぶ。
同時に、その事件がどうなったか、裁判等はどうなっているのかに関しては、
加害者が知的障害者であることが判明すると、とたんにどのメディアも報道しなくなる。


いろいろ思うんだ。
-自己を制御できないのなら、公道を出歩かないで欲しい
-もちろん、知的障害* がある人を犯罪予備軍のような目で見るわけではない
-被害者からしたら加害者が健常者だろうが障害者だろうが関係無く、受けた被害が全て
 *「知的障害」と書いておきながら、自分でその定義が明確じゃないんだけどね

大きな被害じゃなくても電車の中で暴れたり、痴漢まがいのことをしたり、
そういうのってたまに目にすることがある。
学生の頃コンビニでバイトしてた時は、いわゆるエロ本をずっと読みながら、
ズボンの前ポケットに手を入れてモゾモゾし、息を荒くしているのもいた。これ実話。

その時は、確か店長がなんだかんだで店から追い出していたけど。。。

また、何ヶ月か前には、残業で帰りが遅くなった時に電灯の少ない暗い細道で
「となりのとぉなりはぁ、、 だぁいじょうぶでーす!」
と絶叫しておいらの後ろを付いてくる成人男性がいる… という怖い思いをした。

ハッキリしない発音でひたすら繰り返し、普通ではないような笑い声混じり。。
後ろから石で殴られでもしたら… と、ちょくちょく振り返りながら早足で振り切った。

何の知識も無い無知なおいらとしては、保護者なり観察員なりが必ず同伴しているか、
もしくは、先に書いたように1人で表に出ないで欲しいと思うのが正直な気持ち。

あからさまな偏見、差別かもしれないんだけど、前述のニュースのような事件を
今まで何度も見ておいらの中に湧いてくる現状の気持ち。

引っ越す前の夏祭りの際、かみさんが1歳にならない珠希を抱いて盆踊りを見に行った。
その時、まあなんていうか”ちょっと感じの違う子”がかみさんに密着してきて、
「かわいいねー。いくつー? 男の子? 女の子ー?」
って、ものすごく馴れ馴れしく聞いてきた。

正直、危険を感じた。かみさんとその子の間に割り込むようにして入り、
いざと言う時は自分の身を盾にし、突き飛ばすくらいの気持ちで全身に力を入れていた。

おいらが、ほとんど有り得ないようなリスクに関しても敏感な”心配性”ってのもあるけど、
でもね、いきなり珠希の腕を掴んで捻りあげるんじゃないか、殴ってくるんじゃないか、
申し訳ないんだけど行動の予測ができずに信用できなかったから。

いつの間にか、おいらの中で”信用できない”という見方ができあがってしまっている。
そう思いながらも、矛盾があることもわかっている。
障害者が健常者より、比率的数値として加害行為が多いわけじゃないだろうし、
だいたい、”知的障害者”をひとくくりにする愚かな考え方に問題がある。

ニュースや少ない経験を理由にして、
「1部の危害を加えてきた障害者のために、他の全ての障害者を隔離する」
なんて暴論が正しいわけじゃあないし。
また、反対に健常者なら「行動の予測ができ信用できる」ってわけではない。

上の理論が通るなら、健常者だって犯罪を犯すんだから、
全ての健常者を隔離… という、本末転倒であり得ない展開となる。
「包丁を使った事件があったら、国内全ての包丁を撤廃する」のと同じ愚策だと思う。

障害者に学習能力が皆無なわけではないのだから、
“いけないことはいけない”と繰り返し教えることも大切なんだろうとも思う。
変に「この子は障害があるから仕方ない」で片付ける=逃げをしていると、
その学習ができずにエスカレートしてしまうのかもしれない。

こんなサイトを見つけた。
・知的障害者は現代社会において適者となれるか
 http://koreanthe3rd.jp/archives/226

難しいよね。現行がいいとは思わないし、かといっていい案があるわけでもない。
そもそも、「どうすれば正しく良いことなのか」がわからない。
「ダメなこと」をしっかりと教えなかった周りに一因があるかもしれない。
程度によっては、教えても教えてもなかなか理解できなかったのかもしれない。

ただやはり、”ルールがある世界”にいるのであれば、そのルールを破った際は
健常者 or 障害者等の区別なく”反省と償いと罰”があるべきだと思う。

「犯罪時は心神喪失だった」「責任能力ががなかった」などという言葉が
ニュースで流れるたびに、どうしてもそう思うんだよね。
加害者がどこの国の人間だとか、男か女か、どんな事情があったか、障害があるか、
そんなのって被害者からしたら全く関係ない。された被害が全て。結果が全て。
歩道橋から落とされた子、その家族にとって、加害者がどんな事情がとか関係ない。

3歳の子が突然投げ落とされ重傷を負い、もしかしたら恐怖心と後遺症が残り、
一緒にいた家族(おばあちゃんだっけ?)は守れなかったという自責の念にかられ…。

けど、加害者が「責任能力が無い」とされたら。。。

しかも、加害者は何度も前歴があり、再犯を防げたのではないかとも思う。
やっぱりどうしても、感情的に納得できるものではないと思うんだ。
# 「責任能力がない」からと言っても、事件後野放しになるわけじゃないと思うけど。
# 何かしらの監督下におかれ、更生というか、善悪の再認識とかするのだろうか?

何かあっても、例えば障害を持つ子がこちらに危害を加えてきたとしても、
「あの子はかわいそうなんだから許してあげて」
「障害があるんだから仕方がない」
と考え、被害者側が”泣き寝入り”をする風潮(って言うの?)って、確かにあると思う。
それがいけない、という声も聞く。
何度か繰り返し教えることで、”やってはいけないこと”を覚えさせる。
それには時間がかかるだろう。

けど、「障害があるから…」で済ましていたのでは、それはいつまでも解決しない。
“やってはいけない”と理解していないのに、いきなり刑罰を与えても
「なぜ罰を与えられているのか?」ということを理解していないのでは意味がない。
「障害者がなにかやった」→「健常者と同じように刑罰」とはいかないのも現実なのかも。。
いや、”いかない”というか”意味がない”と言ったほうが、ニュアンスが伝わるかな?


実はこの内容、1~2週間前から書いては見直し、書いては見直ししてた。
まあ、元々たいした頭じゃないから、時間をかけてもたいした内容にならないんだけど。。
落ち着いて考えられる”集中した時間”も取れないこともあるし。

でも、どうしても頭から離れずにいた。
なんていうかね、障害を持つ子を育てるのって特殊なことではない気がして。
今は”普通”っぽいけど、いつ珠希がそう診断されるかわからない。
例えば何かの事故で、低酸素症とかで脳にダメージを負うかわからない。

また、今かみさんが妊娠している子が、必ずしも健常者とは限らない。
楽天で下記の本を買って、昨日届いたので電車の中ででも読もうと思っている。

【累犯障害者】
この世には、刑務所しか居場所がない人々がいる。障害者の起こした事件の現場を訪ね歩き「聾唖者だけの暴力団」「親子で売春婦の障害者」など驚愕の現実を明らかにしていく。
【そして殺人者は野に放たれる】
「心神喪失」の名の下で、あの殺人者が戻ってくる!「テレビがうるさい」と二世帯五人を惨殺した学生や、お受験苦から我が子三人を絞殺した母親が、罪に問われない異常な日本。“人権”を唱えて精神障害者の犯罪報道をタブー視するメディア、その傍らで放置される障害者、そして、空虚な判例を重ねる司法の思考停止に正面から切り込む。
【君がいたから、君がいるから】
この子と一緒に死んでしまおうか―わが子が障害児と知ったとき、母はその小さな首に手をかけた…でも、生きてきた。ともに歩んできた。特殊学級か普通学級か、いじめ、性教育、健常児である姉弟との葛藤―たくさんの迷いがあった。ただ息子のすべてを愛し、受け入れること―その答えにたどりついた今、母は十二年の軌跡を振り返る。

これらを読んで、また思うことがあれば書くかもしれない。書かないかもしれない。
まあ書くとしても、たぶん時間が空くと思うけど。。

コメント

  1. nono より:

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    >実はこの内容、1~2週間前から書いては見直し、書いては見直ししてた
    推敲を重ねた良い文章だと思います。
    私も気になる事柄です。
    私はやっぱりこのブログが好きです。
    (書かれている事にいつも同意って意味では勿論なく、内容を読むのが好きなんです。)

  2. しまむる より:

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    いわゆる責任能力が無い人が犯罪を起こしたとき、「なぜ野放しにしたんだよ!」という意見が多いですね。
    野放しという言い方は語弊ありますけど、実際そうみたいです。
    というのも、病院にいつまでも入れておくな、どんどん外に出せ、っていう国家方針なんですね。
    追い出されちゃうんですよ、今の医療制度だと。
    詳しい内容は覚えてないんですけど、そういう制度になっているんですね。現場で働いている人が怒ってました。
    リハビリの期間も意味無いくらいに短縮されちゃうし、金持ちしか福祉を得られない世の中になってしまいました。
    そういう世の中を作ったのは国ではなく国民だという事実を受け止め、反省をしてこれからの世の中を作っていかなきゃいけないですな。

  3. きゃすばるにいさん より:

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    >nonoたん
    > 私はやっぱりこのブログが好きです。
    ありがとう。
    おいらも偏見が強かったり、事実を誤認してたりするから
    必ずしも正論ばかりじゃないんだけど(ってか、間違いの方が多そうだけど)、
    読んで下さる方がいるというのは、書くことへの活力にもなります。
    >しまむる
    今、「累犯障害者」を読み始めているところだけど、
    書かれていることが真実であるとすれば、この国の福祉は全くの無機能だね。
    なにも改善されないまま、留置所と外界を行き来する人があまりにも多いらしい。
    なんかね、非常にブルーになる内容。ふぅ。。

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